今回は特別編です。
ボレーもショットではありません。
スプリットステップ (フットワーク)です。
しかも、ボレーに限らず、ストロークでも使います。
さらに広げていけば、スプリットステップと言う名前ではありませんが、
他、数多くのスポーツでも使われます。
ちなみに、これは今まで頂いた悩みの中で、
比較的女性からお声を頂くことが多いです。
どういう悩みかと言うと…
スプリットステップのタイミングがなかなかつかめない。
スプリットステップをすると打つまでが忙しくて、そもそも必要なのか、が疑問。
と言うことでしたが、もしかしたら他にも悩まれているかもしれません。
スプリットステップは、
次の動きへスムーズに移行するための1つの動作なので、
そもそもこれによって始動が遅れるのは致命的な問題です。
遅れてしまうのであれば確かに必要性を問われます。
では、早速この必要性について掘り下げて行きましょう。
◯ スプリットステップは必要ではない?
結論からお伝えします。
スプリットステップは必要とは限りません!
(※ 数年前までは私は100%必要、と答えてました。)
必要ではない、と言う事ではなく、
何かしらの動くきっかけの動作は必要、
つまり必ずしもスプリットステップでなくても良い、
と言う事です。
では、なぜこのような悩みが生じてしまうのか…
これは先ず初心者の段階で
「スプリットステップが必要なんだ」と言う固定概念
から入ってしまうことから始まります。
そして教える人それぞれの解釈で伝えて、
教わった側が色んな認識の違いを生んで、
「スプリットステップはしなければならないもの」
として認識されています。
結局、必要性や意味が本人に理解されないまま使い続け、
身体に定着していきます。
ですから、そもそもの動作の目的を知らないか、
もしくは、見失ってしまっています。
◯ スプリットステップの現状
中でも1番多く聞くのが、
スプリットステップ = 飛ぶ、というイメージ。
どのタイミングで飛べば良いかわからない。
飛んでいるから、打つ準備が遅くなる、と言われる。
という事でした。
確かにステップを踏むので、地面から踵が離れますが、
飛んでいるわけではありません。
昔(私がテニスを始めた頃)は、
ステップ(ジャンプ)して着地した状態が体重が均等に分けられている
という解釈をしていることが多く、
(※ 私はこのように教わりました。)
それが巡り巡って、
結果的に「ステップ = 飛ぶ」と認識される事が多くなっていきました。
そうは言いながらも、スプリットステップすることは悪くありません。
実際、私も軽くステップを踏んでいます。
それが次への準備ができているステップなら何ら問題ありません。
ただ、飛ぶことで準備が遅くなるようでしたら、
何かしら対策を打たないといけない、
ということです。
では、今までのイメージを変えてしまうかもしれませんので、
そもそもの部分を私の解釈で掘り下げていきます。
◯ スプリットステップの目的
言葉の意味を考えていきましょう。
「スプリット(分ける) + ステップ(歩調)」
ですから、何かを分ける必要があります。
では、何を分けるのでしょうか?
動き出す前に分けるものですから、
「体重 (自分のからだ)を分ける」
ですね。
次に進みます。
では、どう分けるのか?
「体重を両足に均等に分ける」
テニス的に言うと、
「上下前後左右どの方向にでも直ぐに動けるように、体重を均等に分ける。」
です。
実は、これがスプリットステップをする目的です。
vol.11でもお話ししましたが、
今までも言葉では理解していても、
こうやって噛み砕いていくと、理解も深くなると思います。
話が逸れましたが、
スプリットステップの目的を達成するためには、
動き出す瞬間に、
体重を均等に分けられていれば、
直ぐにどこにでも動ける準備ができていれば、
「必ずしもスプリットステップである必要はない」
と言うことになります。
現に、プロでもスプリットステップをしない選手もいます。
(※ 何もしてない訳ではありません)
では、ステップ以外で何をするのか?
私なりのご提案をさせていただきます。
◯ 体重を均等に分けるには
それでは、スプリットステップ以外の方法をお伝えします。
実は、多くのスポーツでこの動きは使われています。
それは
「腰をスッと落とす。もしくは、膝をスッと落とす。」
シンプルですよね。
野球の守備 (バッターが打った瞬間)
バレーボールのサーブを受けるレシーバー (サーブを打った瞬間)
バスケットボールのディフェンス (ボール持っている選手が仕掛ける瞬間)
などなど
他にもラケット競技全般でも使いますし、
相手があって動きのある競技はほとんど使われています。
構えて、
一瞬、重心をスッと下げて(脱力して)、
どの方向にでも動ける(ダッシュが効く)ようにする。
(※ 必ず次への動きを意識しながら行ってください。)
スプリットステップよりも動作は小さいため、
始動に遅れが生じる可能性も低くなります。
ただ、この重心を落とすことができても、
タイミングが合わなければ、全く意味がなくなります。
ではどうやってタイミングを合わせるか?
◯ タイミングを合わせる
では、今回の最終目的。
ステップのタイミングを合わせるやり方です。
スプリットステップと重心を低くするのと、動作の仕方は違いますが、
実は、タイミングの考え方は同じです。
物理的には、
「相手が打つ瞬間に、ステップの動作が終わっていること。」
精神的には、
「相手(の打つタイミング)と呼吸を合わせること。」
決して自分のタイミングで行わないことです。
そう言う意味では、相撲の立会いに似ているかもしれません。
自分本意で動くと、待った!をかけられます。
相手と呼吸を合わせて、それに対応して行く。
と言う感じです。
自分がどうするか?
の主体的な考え方が必要なのはもちろんですが、
相手がある競技ですし、ボールを打ってくるのは相手なので、
自分の間合いだけではラリーが出来ません。
相手の動きを観察しつつ、呼吸も合わせてみてください。
すると意外な事に氣付く事があります。
息が合う相手、合わない相手が出てくると思います。
試合でも是非この感覚を試してみてください。
◯ 今回のまとめ
特別編はいかがでしたでしょうか?
テニスをする上ではかなり重要な動きとなります。
・重心のバランスを取り、次の動きに備える。
・相手を観察し、呼吸を合わせる。
テニスでのラリーは相手との対話です。
プロの試合を観ていると、そんな感覚さえ受けます。
是非対峙する方と息を合わせて、
ラリーに備えてください。
今回はここまでとなります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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