vol.12 スプリットステップのタイミングがわからない


今回は特別編です。

ボレーもショットではありません。

スプリットステップ (フットワーク)です。

しかも、ボレーに限らず、ストロークでも使います。

さらに広げていけば、スプリットステップと言う名前ではありませんが、

他、数多くのスポーツでも使われます。


ちなみに、これは今まで頂いた悩みの中で、

比較的女性からお声を頂くことが多いです。


どういう悩みかと言うと…

スプリットステップのタイミングがなかなかつかめない。

スプリットステップをすると打つまでが忙しくて、そもそも必要なのか、が疑問。

と言うことでしたが、もしかしたら他にも悩まれているかもしれません。


スプリットステップは、

次の動きへスムーズに移行するための1つの動作なので、

そもそもこれによって始動が遅れるのは致命的な問題です。

遅れてしまうのであれば確かに必要性を問われます。


では、早速この必要性について掘り下げて行きましょう。


◯ スプリットステップは必要ではない?


結論からお伝えします。

スプリットステップは必要とは限りません!

 (※ 数年前までは私は100%必要、と答えてました。)


必要ではない、と言う事ではなく、

何かしらの動くきっかけの動作は必要、

つまり必ずしもスプリットステップでなくても良い、

と言う事です。


では、なぜこのような悩みが生じてしまうのか…

これは先ず初心者の段階で

「スプリットステップが必要なんだ」と言う固定概念

から入ってしまうことから始まります。


そして教える人それぞれの解釈で伝えて、

教わった側が色んな認識の違いを生んで、

「スプリットステップはしなければならないもの」

として認識されています。

結局、必要性や意味が本人に理解されないまま使い続け、

身体に定着していきます。


ですから、そもそもの動作の目的を知らないか、

もしくは、見失ってしまっています。


◯ スプリットステップの現状


中でも1番多く聞くのが、

スプリットステップ = 飛ぶ、というイメージ。


どのタイミングで飛べば良いかわからない。

飛んでいるから、打つ準備が遅くなる、と言われる。

という事でした。


確かにステップを踏むので、地面から踵が離れますが、

飛んでいるわけではありません。


昔(私がテニスを始めた頃)は、

ステップ(ジャンプ)して着地した状態が体重が均等に分けられている

という解釈をしていることが多く、

 (※ 私はこのように教わりました。)

それが巡り巡って、

結果的に「ステップ = 飛ぶ」と認識される事が多くなっていきました。


そうは言いながらも、スプリットステップすることは悪くありません。

実際、私も軽くステップを踏んでいます。


それが次への準備ができているステップなら何ら問題ありません。

ただ、飛ぶことで準備が遅くなるようでしたら、

何かしら対策を打たないといけない、

ということです。


では、今までのイメージを変えてしまうかもしれませんので、

そもそもの部分を私の解釈で掘り下げていきます。


◯ スプリットステップの目的


言葉の意味を考えていきましょう。

「スプリット(分ける) + ステップ(歩調)」

ですから、何かを分ける必要があります。


では、何を分けるのでしょうか?

動き出す前に分けるものですから、

「体重 (自分のからだ)を分ける」

ですね。


次に進みます。

では、どう分けるのか?

「体重を両足に均等に分ける」

テニス的に言うと、

「上下前後左右どの方向にでも直ぐに動けるように、体重を均等に分ける。」

です。

実は、これがスプリットステップをする目的です。


vol.11でもお話ししましたが、

今までも言葉では理解していても、

こうやって噛み砕いていくと、理解も深くなると思います。


話が逸れましたが、

スプリットステップの目的を達成するためには、

動き出す瞬間に、

体重を均等に分けられていれば、

直ぐにどこにでも動ける準備ができていれば、

「必ずしもスプリットステップである必要はない」

と言うことになります。

現に、プロでもスプリットステップをしない選手もいます。

 (※ 何もしてない訳ではありません)


では、ステップ以外で何をするのか?

私なりのご提案をさせていただきます。


◯ 体重を均等に分けるには


それでは、スプリットステップ以外の方法をお伝えします。

実は、多くのスポーツでこの動きは使われています。

それは

「腰をスッと落とす。もしくは、膝をスッと落とす。」

シンプルですよね。


野球の守備 (バッターが打った瞬間)

バレーボールのサーブを受けるレシーバー (サーブを打った瞬間)

バスケットボールのディフェンス (ボール持っている選手が仕掛ける瞬間)

などなど

他にもラケット競技全般でも使いますし、

相手があって動きのある競技はほとんど使われています。


構えて、

一瞬、重心をスッと下げて(脱力して)、

どの方向にでも動ける(ダッシュが効く)ようにする。

 (※ 必ず次への動きを意識しながら行ってください。)


スプリットステップよりも動作は小さいため、

始動に遅れが生じる可能性も低くなります。


ただ、この重心を落とすことができても、

タイミングが合わなければ、全く意味がなくなります。


ではどうやってタイミングを合わせるか?


◯ タイミングを合わせる


では、今回の最終目的。

ステップのタイミングを合わせるやり方です。



スプリットステップと重心を低くするのと、動作の仕方は違いますが、

実は、タイミングの考え方は同じです。


物理的には、

「相手が打つ瞬間に、ステップの動作が終わっていること。」


精神的には、

「相手(の打つタイミング)と呼吸を合わせること。」



決して自分のタイミングで行わないことです。


そう言う意味では、相撲の立会いに似ているかもしれません。

自分本意で動くと、待った!をかけられます。

相手と呼吸を合わせて、それに対応して行く。

と言う感じです。


自分がどうするか?

の主体的な考え方が必要なのはもちろんですが、

相手がある競技ですし、ボールを打ってくるのは相手なので、

自分の間合いだけではラリーが出来ません。


相手の動きを観察しつつ、呼吸も合わせてみてください。

すると意外な事に氣付く事があります。


息が合う相手、合わない相手が出てくると思います。

試合でも是非この感覚を試してみてください。


◯ 今回のまとめ


特別編はいかがでしたでしょうか?

テニスをする上ではかなり重要な動きとなります。

・重心のバランスを取り、次の動きに備える。

・相手を観察し、呼吸を合わせる。


テニスでのラリーは相手との対話です。

プロの試合を観ていると、そんな感覚さえ受けます。

是非対峙する方と息を合わせて、

ラリーに備えてください。


今回はここまでとなります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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