vol.15 伸びるボールが打てない③


このシリーズも最後になりました。


伸びるボールを打とうとして1番多い原因となるのが…

ラケットを振り過ぎてしまう。


あれ、どこかで聞きましたね。

そうです、実は前回のパターン2と同じ言葉で表現されています。


ただ、前回との違いをお伝えすると…

前回は「バイバイ」をするように横に動かしていましたが、

今回は「ボールを投げる」ように手首を縦に動かしています。


これ、似ているようでだいぶ違います!!

もし、打つ時はラケット振らない方が良い、と周りの方に言われたとき、

テニスのショット(ストロークやサーブを含む)では、

様々な場面で誤解されがちな言葉の表現です。


あなたの周りの上手い方がこの表現を使う時、注意して聞いてください。

もしくは、必ずどっちの方向に動かすのですか?と聞き返してください。

絶対に「ふーん…」と聴き流さないようにしてください。


もし、この言葉を捉え間違えると、

「そもそも」で全く違う動きですので、

クセが付いてからですと、また元に戻すのに時間がかかり、

場合によっては振り出しに戻らなければなりません。


そんな時間は過ごしたくないので、

是非、ひとつひとつの言葉を大切に扱ってください。


さて、最初から話が逸れてしまいましたので元に戻しますが、

やはりバウンドしてから勢いが増すようなボールを打つには、

まずボールに勢いを与える、という事が必要です。


そこでしっかりボールに勢いを与えるために、

腕力で押し込んで打っている(手首を縦方向に使ってしまう打ち方)のをよく見かけます。



確かに腕力で押し込むと勢いは出ますが、

コントロール性に欠けます。

恐らく、バウンドさせる位置を安定させる(ピンポイントで狙う)のが難しいですし、

打つタイミングを間違えると、ふかしてアウトする可能性が高くなってしまいます。


では、どうやって調整していけば良いか、掘り下げて行きましょう。

という事で、現状把握から。


◯ 手首のかたち


もし、力で押し込む打ち方が踏み込みによって加えられた勢いなら、

まだ踏み込み量を調整すれば解決します。


しかし腕力(手首のスナップ)を使って打っているとなると、

(決め球や高いボールの場合はこの打ち方でも可能ですが、)

通常の対ストロークやボレー戦では、改善が必要となります。


では、どう直せば良いか…

早速答えに行きます!


手首は「真っ直ぐ」もしくは「少し内側に曲げる」こと。

そしてその形を維持してください。


ただ、形を維持すると言っても、1番やって欲しくないのは

手首をガチガチに固定する事


これは前回でもお伝えしましたが、

腕の柔軟性が失われてしまうことで、

ラケットから飛んで行くボールにエネルギーが上手く伝らなくなりますので注意してください。


そして、その手首の形を維持する際に、

もう一つ注意して頂きたいのは、

「手首が真っ直ぐ」の時と、

「手首を内側に曲げる」時では、

「打点が全く違う」という事です!


試してみるとよくわかると思いますが、

恐らく今までよりもタイミングを待って、

更にボールを引きつけて(=タイミングを遅らせて、打点を遅らせて)打つ事

になります。


目安として、

🔴 手首がまっすぐの時は、

・コンチネンタルグリップで

打点は身体の正面(背骨ラインから利き手側の肩の間)辺り

・イースタングリップで

打点は身体の正面(背骨のライン)辺り


🔴手首が内側に曲がっている時は、

・コンチネンタルグリップで

打点は身体の後ろ(利き手側の肩から更に後ろラケット半分くらい)辺り、

・イースタングリップで

打点は身体の正面(背骨のラインから利き手側の肩の間)辺り

になります。


そのためグリップの位置によっては、

最初はとても違和感があると思いますが、

ボレーの安定化を図るためにガンバッて慣れてください。


◯ そして距離感。


ここは以前に書きましたvol.4を参考にしていただきますが、

vol.4ではステップワーク(下半身)についてですので、

加えてもう一つ大切なラケットワーク(上半身)の話をしたいと思います。


さて、伸びるボールを打つために、

ボールのスピードと回転量の話は切り離せません。


スピードと回転量は相反する関係ですので、

回転量を上げればスピードが遅くなりますし、スピードを上げれば回転量が落ちます。


手首を縦に使う事なく、ある程度スピードを確保しつつ

失速する事なく、ある程度の回転量を保ちたいですね。


そうした上で伸びるボールを打ちたいのですから、

ここでは欲張って…

スピードも回転量も更に上げていく動き

をしていきたいと思います。


そこで例外的に外部からエネルギーをもらって来ます。

「蹴り出しの強さ」と「ラケットスピード」

の2つです。


ここで注意していただきたいのが、蹴り出しの強さもラケットスピードも

コントロール出来るようになってからお試しいただきたいのです。


これらの微調整が出来ないと、

変化させるパラメータの因子が多すぎて、余計に暗闇に入っていってしまう可能性があるからです。


という事で、伸びるボールと距離感は、

・蹴り出しの強さの強弱、 (フットワーク)

・ラケットスピードの加減速、 (腕)

・ラケット軌道の角度、    (ラケットワーク)

・ラケット面の角度、        (ラケット)

・グリップの握る強さ、    (手)

これらの因子によるエネルギーの交換(組み合わせ)で決まり、

これらの組み合わせを1つずつ微調整し、あなたに最適な答えを導き出します。


そのため、たくさんチャレンジして打ちまくってください。

もしわからない時はお問い合わせフォームからご連絡ください。


さて、最後にまとめです。


◯ ここまでくれば…


ここまで伸びるボールを打つ事に関して、

3つのパターンについてお話ししてきました。


全てにおいて共通していくのが、

🔴 蹴り出しのタイミング

🔴 ラケットスピードのコントロール

🔴 オリジナルのラケットワーク

が出来ると伸びるボールが打てるようになりますので、

是非ともチャレンジしてみてください。


それでは今回はここまでにいたします。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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