前回の続編、ボレーでガシャる その2
前回は、ラケットが今どこにあるか?
をテーマに、身体全体の動きの感覚について書いていきました。
そして今回、もうひとつの現状について確認していきましょう!
◯ もう1つの感覚
②ラケットのどこに当たっているか?
これについてはどうやって確認するか。
この言い方ですと、
やはり目で見てどこに当たっているかの確認をするイメージがあるかと思います。
特に昔は「ボレーはラケットの後ろからボールを見ましょう!」
とよく言っていたものです。
しかし、それはごく限られた場面でのことです。
多くの場合はここに当てはまりません。
そして、打点が前になりすぎて、
身体からの力が思うようにボールに伝わらない事が多くなります。
さらに、ボールに突っ込んで行く方もよく見られます。
これは「ラケットが前、顔が後ろ」と言う概念に集約されます。
今では、ボールの見方は教えていません。
(私は、ですけど。)
ボールは虫取り網で受け取るような感じで、ラケットでキャッチして行きましょう!
とお伝えしてるので、
ボールは自然に目で追ってもらう事をしてもらってます。
(あまり難しい言葉を言うと、それに捉われて動けなくなる事もありますので)
確かに事実を目視したいのが人が1番最初にする行動ですが
ここではちょっと違います。
どこに当たっているかを何で確認して欲しいか、と言うと、
「手の感触」 = 「触覚」
ラケットを通じて手や腕に伝わってくる振動で、
どこに当たっているかを認識できるようになって頂きたいです。
これが1番効率が良い方法です。
なぜなら、
ラケットに当るまでボールを目で追わなくて済むので、
ほかの情報(相手の動きなど)を得るために使えるからです。
ほんのコンマ何秒かの出来事と思われますが、試合の展開にはかなり重要な時間です。
少し遅れただけでも、
いつの間にか相手が目の前にいたり、
いつの間にか試合展開に置いていかれる、
と言うことが起こります。
こうなると、視野を広げる事も1つの方法ですが、
今回はテーマが違うので、また別の機会に。
◯ 伝わってくる情報
さて、
どこに当たっているか、は2つの種類の複合情報で判断できます。
⑴ 手に伝わってくる振動。
⑵ ボールがラケットに当たった時の音。
この2つの現象は同時に起こりますので、
⑵の情報と⑴の種類によってわかります。
⑴ 手に伝わってくる振動の種類
ボールがラケットに当たると、衝撃が加わるので、大小関わらず必ず振動として手に情報が伝わってきます。
その振動がどう伝わってくるかで、どこに当たっているかがわかります。
そこをわかりやすくするために、更に掘り下げて行きましょう!
振動の種類にも2通りあります。
A. ボールがラケットに当たってもほとんど振動は伝わって来ない。
B. ボールがラケットに当たった直後かなり振動が伝わってくる。
⑴はほとんど打ちたい場所(スイートスポット)からズレてはいないので、微調整は必要となりますが、さほど問題はありません。
⑵はラケットフレーム又はフレーム付近のガットに当たっているため、
手首、肘、腕、肩に強い振動が伝わってきます。
しかもあまり心地よくない振動です。
ちなみに、この振動(衝撃)によるラケットの動きで、
ラケットのどこに当たっているかがわかるようになります。
ボールがラケットに当たった瞬間、
a. ラケットの親指側がボールに持っていかれる
b. ラケットの小指側がボールに持っていかれる
c. ラケットの先が持っていかれる
です。
それではどうすれば良いか、さらに掘りさげましょう!
◯ 誤差の埋め合わせをする
aの場合、
ラケット面で言う、グリップの延長線上から上側に当たってます。
そのため、目標から上に誤差が生じているため、その分の微調整が必要です。
その微調整の方法は、上記の分の差を埋めるだけです。
グリップの延長線上に当てたいのに、少し上に当たってますから、
目標を、その誤差の分を下にズラして設定して打ちます。
そうすると理論上はグリップの延長線上に当たるようになります。
bの場合、aとは逆で、
ラケット面で言う、グリップの延長線上から下側に当たってます。
そのため、目標から下に誤差が生じているため、その分の誤差を埋める必要があります。
その微調整の方法は、先程お伝えした方法の逆で、
グリップの延長線上に当てたいのに、少し下に当たってますから、
目標をその誤差の分を上にズラして設定します。
そうすると理論上はグリップの延長線上に当たるようになります。
cの場合、
ラケットの先端側にボールが当たっていますので、
スイートスポットから、ボール1個から1.5個分、ラケット先端側にズレています。
そのため、そのズレている分、目標をグリップ側に設定する事で、
理論上はスイートスポットに当たるようになります。
そのほか、目標とのズレ具合によって、a + c、b + c、と調整してみてください。
◯ 耳をすませば
この章の最初に触覚を使って、とお伝えしましたが、
五感のうちもう1つ使っていただきたいのが、
⑵ ボールがラケットの当たった時の音。
「打球音」 = 「聴覚」
これは明らかに違う音なのですぐにわかると思います。
先程のAのほとんど振動がない時は、スイートスポット付近に当たってるので、
打球音はパンッ!と言う乾いた心地いい音。
そしてBのかなり振動が伝わってくる時は、フレーム付近に当たってるので、
ガコッ!ベコッ!と鈍い音がします。
その音が聞こえた時には、先程の修正方法でラケット面の真ん中付近に当たるように調整してください。
◯ 今回のまとめ
・触覚と聴覚を使って、真ん中に当たってるか、当たってないか、を判断する。
・手に伝わる振動の種類によって、誤差を調整する。
ミスは練習でたくさんたくさんして下さい。
そして、触覚と聴覚を使ってしっかり情報収集をして、
誤差を調整できるようになってください。
これで前回の①と合わせて、ガシャることはさらに減ると思います。
色々チャレンジして行きましょう!
今回はここまでにいたします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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